老人性皮膚掻痒症
こんにちは、子宝、ダイエット、漢方の木下薬局@東京都文京区大塚 です。
.
冷たい空気で皮膚が乾燥しやすい冬は、皮膚のカサツキと痒みを起こしやすい季節です。
今回はそんな皮膚症状の中でもシニア層に多い老人性皮膚掻痒症についてお話します。
.
年齢を重ねたシニア層は、若者よりも肌が乾燥しやすい為、我慢できない痒みに悩まされ、「物事に集中できない」「夜もグッスリ眠れない」など、生活に支障をきたしている方も少なくありません。
.
【原因】
老化や乾燥が進むと天然保湿因子や角質細胞間脂質などが減少し、皮膚の一番外側にあたる角質中の水分が失われ、さらに皮脂の分泌も減る為、水分が蒸発しやすく、水分不足の乾燥した皮膚になってしまうのです。
皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすい過敏状態となります。この状態では、知覚神経が鋭敏になっている為、
少しの刺激で痒くなる
⇒ 気になって皮膚を掻く(皮膚が壊れる)
⇒ さらに刺激となる …といった悪循環に陥ります。
このように高齢者に起きる皮膚の痒みを「老人性皮膚掻痒症」といいます。病状が進むと、痒みだけでなく、皮膚に湿疹が起こることもあります。
.
【対策法】
老人性皮膚掻痒症のように皮膚の乾燥によって起こる痒みを予防・改善する為には、「保湿剤」を用いて角質層中の水分量を保つことが重要です。
ひと言に保湿剤といっても、さまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解し、使い分けることが大切です。
・水分を補給するタイプ (ローション・クリーム)
・油脂膜をつくり、水分蒸発を防ぐタイプ (軟膏・オイル)
.
【予防法】
①過度な入浴をしない。
長湯をすると、皮脂膜や角質細胞間脂質などの保湿成分が湯に溶け出してしまうので、10分以内に入浴は済ませましょう。
.
②部屋を乾燥させない
エアコンの使い過ぎは部屋の空気を乾燥させてしまいます。冬場は、加湿器を使ったり、濡れた洗濯物を室内に干すなど、湿度を適度に保つように心掛けましょう。
.
③肌に合った衣服を身に着ける
チクチクした繊維の衣類は、皮膚に刺激を与えます。
直接肌に触れる衣類の生地は、木綿や絹など着心地が良いものを選びましょう。
.
④香辛料やアルコールの飲み過ぎに注意。
香辛料やアルコール飲料は血液循環を良くし、身体を温めますが、神経の伝達速度が速まり、痒みの悪化につながります。痒みが気になる人は控えめにするほうが良いでしょう。
.
⑤しっかり睡眠を取る
睡眠不足は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を低下させ、正常な皮膚の働きを損なうことにつながります。まずは、規則正しい生活を第一に、休養もしっかりとりましょう。
.
ただの冬の乾燥と思って油断していると、皮膚の症状がどんどんひどくなることもあります。漢方にも塗り薬や飲むことで皮膚のバリアー機能を高めるものがありますので、冬の不愉快な痒み、我慢せず木下薬局に御相談下さい。
老人性皮膚掻痒症:関連ページ